2008年11月03日

DVDのおまけ映像

■私はカラヤン ファンなのでカラヤンねたが多いです。今年の大きな収穫として、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」のDVDがあります。1979年のザルツブルク・イースター音楽祭のライブです。「ミサ・ソレムニス」はカラヤンのお得意の曲で録音も数多く行っています。このDVDでは珍しく(?)上機嫌そうなカラヤンの姿が見られます。演奏も見事なもので、完成度が高く非常に充実しています。合唱もなかなかの出来です。カラヤンの指揮は細部にこだわらず、大きな流れを作っているようでした。「クレド」ではこだわりがあったのか合唱団に「クレード クレード」のアクセントをたいそう強く指示しているのが印象的でした。また、ソリストの配置が個性的で、舞台左側のオーケストラ後方なのですが、ティンパニだけがソリストの背後に陣取っています。後ろで鳴らされたら結構うるさいだろうと思います。また、通常、向かって左から右へ低い声に並ぶところを、この演奏では男声は逆でテナーが一番右となっていました。
■さて、DVDではいろいろと特典映像が付くことが多いようですが、私はあまり気にしていなかったのですが、先日、ふとどんなものかと見てみました。特典というよりも今年発売されたカラヤンのDVDの宣伝なのですが、結構、たくさん収録されていて、それも少しずつではなく1つの楽章程度がまるまる入っています。全部で1時間くらいあったのではないでしょうか。本編とは別の名曲コンサートでも見ているような感じで、すごく得した気分です。曲目は、歌劇「道化師」から前奏曲とアリア1曲、「軽騎兵」序曲、ブラームスの「ドイツ・レクィエム」の1曲、「ラインの黄金」の終幕部(オペラ映画)、チャイコフスキーの交響曲第4番第2楽章、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第3楽章、(ほかにもあったかな?)と多彩です。DVDはあまり持っていないのですが、こんなことはよくあるのでしょうか?このDVDにはほかにネトレプコのヴィオレッタで話題となった2006年のザルツブルク音楽祭の「椿姫」の宣伝もありました。
■これからはこのようなおまけ映像を楽しみに収集していこうと思います。



ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス/ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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2008年10月29日

祝!A.シフ、ベートーヴェン全集完結!!

■半年に1枚のペースで、おおむね番号順でリリースされてきたアンドラーシュ・シフのベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全集が完結しました。



Beethoven: The Piano Sonatas Vol.7 -No.27-29 / Andras Schiff




Beethoven: The Piano Sonatas Vol.8 -No.30-32 / Andras Schiff

■このシリーズは、A.シフの考え抜かれた極めて客観的な表現と、ライヴとは思えない完成度の高い演奏、優れた音質が特徴でした。当然、今回も大きな期待を持って聴きましたが、やはりこれまでと同様なすばらしい仕上がりとなっています。意外にちょっと荒っぽいなと感じるところもありましたが。
■このシリーズ、Vol.8までとなっていますが、そのうちの2つは2枚組でしたので、全部で11枚となります。大抵の「ベト全」は10枚組、私の愛聴のバレンボイムDG盤で9枚組ですので、ちょっと枚数が多い。よくありがちなのは再編集して枚数を少なくしてBOXセットで大幅プライスダウン!!さて、この全集はどうでしょうか?
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こんなものが!!!

■カラヤン生誕百年関連商品でこんなものが出ます!



Herbert von Karajan -The Symphony Edition

(38枚組、12,000円!今ならオンライン特価9,690円!)
■最近、カラヤンのブルックナー交響曲全集を買おうかと考えているのですが、どうせなら、こっちのほうがいいかな?当然、手持ちのものと重複するものが多くありますが、それでも安い!!
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2008年10月28日

カラヤン・メモリアル・コンサート2008(DVD)

■今年はカラヤン生誕100年ということで、膨大な数のカラヤンのCDが再発売やライブ音源からのCD化がなされております。それとは別に、これは今年の1月に行われたカラヤン生誕100年を記念するメモリアルコンサートのDVDです。アーティストはいずれもカラヤンと深く関係があった小澤、ムターです。これも一応、カラヤン関連商品の1つでしょう。
■曲目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーの「悲愴」。いずれもすばらしい演奏。ムターのヴァイオリンは個性的ではありますが、少し前に感じた自由奔放さは影をひそめ、より作品を尊重した演奏になっているように思いました。「悲愴」も最近の小澤らしく、あまり強い意志は感じられませんが、持ち前の高い集中力でベルリン・フィルの力を引き出したもの。とはいえ、潜在能力までは引き出せていない様子です。


■小澤征爾は1980年代終盤にベルリン・フィルとチャイコフスキーの第4番、第5番を録音しており、とくに第4番は小澤の個性とベルリン・フィルの底力がちょうどいい具合に融合した個性的ではありますが私のお気に入りの演奏でした。この機会に、じっくりと「悲愴」のスタジオ録音を行ってほしいと切に願うものであります。ちなみに、小澤は1980年代にボストン響と「悲愴」を録音しております。大変美しい演奏ですが、それだけです。何かこじんまりとしています。


■ムターのほうも、ベートーヴェンの協奏曲は、カラヤンとの名録音があり、その後2000年くらいにマズアの指揮でニューヨーク・フィルハーモニックと録音しています。ニューヨークでの演奏で基本的な形が出来上がっているようですが、表現がさらにシャープになったように感じます。ぜひ、この機会にCD録音してもらいたいものです。


■ちなみに、私はチューバはほっぺたを膨らませて吹くものと思っていましたが、今回のDVDを見て考えを改めました。このチューバ奏者、ホントに吹いているの?(吹いているに決まっている!)
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2008年09月21日

仲道郁代さん

080921_1.jpg昨日は久々に家族でコンサートに出かけました。仲道郁代さんのモーツァルトとベートーヴェンの協奏曲2本立てでした。仲道さんはとても小柄な人でした。ベートーヴェンではやっぱり少し非力かなとも思いましたが、第2楽章はよかったです(非力に感じられたのはホールの響きのせいかもしれません)。CDでは非力さは感じられず、力強い演奏が聴けます。それと、昨日の演奏では細部にこだわらず、かなり流れた演奏を行っていたのが印象的でした。



これは絶対におすすめです!!!
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他にも・・・

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2008年09月04日

ムーティ&ウィーン・フィルによるモーツァルトの交響曲

■昨日の書き込みが日付を越えてしまっていたので、これが本日2回目の書き込みになってしまいました。本日94日は「ック音楽の日」だったそうです。皆さんご存知でしたか?
■さて、先日CDショップに行くと颯爽としたモーツァルトがバックに流れていました。とてもキビキビと躍動的な演奏でした。で、どんなCDかと見てみると、ムーティ指揮ウィーン・フィルによる1990年代前半頃に録音された一連の後期交響曲集の1枚でした。このたび、それがあのSHM-CDで再発売されたのでした。
■私はモーツァルトの後期交響曲集というと、ベーム盤かカラヤン盤が所有CDの中でお気に入りなのですが、じつはこのムーティ盤をもっとも注目しているのです。この盤の存在を知ったときは輸入盤でバラ売りされていたのですが、輸入盤にしてはやや高かったので、「いつかはセットで安く出るだろう」と、手を出さなかったのです。それが、さらに高価なSHM-CDで出るとは!
■SHM-CDの音質については以前このブログに書き込みました。私の拙耳ではその音質の違いがよく分かりません。なのでわざわざ高価なSHM-CDを買おうとは思わないのです。
■「やっぱり、セットで安く出る日を待とう!」、さらに「そのときには曲を順番どおりに並べ替えてほしい!!」
■でも、皆さんは音質の優れたSHM-CDを買ってね。ほれ、下記をクリック!!マジで演奏は超おすすめですよ。


■ちなみに私は後期交響曲集から40番と41番を抽出してカップリングされたCDは持っております。今は手に入らないか?
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2008年08月23日

ラトル、小澤の「幻想交響曲」、リサ・バティアシヴィリのベートーヴェン

■仕事の打合せの帰りに梅田に寄ったので、いつものとおりタワレコへ。今日も買うのではなく偵察(=試聴)。
■お目当てはラトルの「幻想交響曲」。ベルリン・フィルハーモニーのぼや騒ぎの影響で録音会場がイエス・キリスト教会になったとのこと。イエス・キリスト教会は1960年代〜1970年代初めにカラヤンが多くの録音を行ったところで、音響がいいために現在でもよく録音が行われています。そういえばバレンボイムもベルリン・フィルとの「幻想交響曲」をそこで行いました。録音会場の影響かどうかわかりませんが、ラトルの「幻想交響曲」、とても音がいい。左右、奥行きともに大きな広がりと美しい残響。ラトルは煽るような表現を極力抑制しているようで、金管も控えめで、遠くのほうで余裕をもって鳴らしているようですが、手前の分厚い弦の上に十分に響いてきます。ラトルらしく随所に考え抜いた“粋”な表現がちりばめられたユニークな演奏。おすすめ!



Berlioz: Symphonie Fantastique, Scene Lyrique ''La Mort de Cleopatre'' / Simon Rattle, BPO, Susan Graham


■「幻想交響曲」といえば少し前に小澤征爾がサイトウキネンとライブ録音したのが出ています。こちらは作品に真正面から体当たりしたような演奏。脇目も振らずのあまりの真摯さに聴き手もちょっと“引く”かも。第5楽章の終結部は一気にテンポを速めての猛進撃。録音のダイナミックレンジは振り切れて飽和状態。でも、ライブらしい熱気が伝わり、決してマイナス要素にはなりません。演奏後の拍手入り。



ベルリオーズ:幻想交響曲、他/小澤征爾、サイトウ・キネン・オーケストラ


■ちなみに、私は「幻想交響曲」の第4楽章は繰り返しを行った演奏のほうが好きです。ラトルは繰り返していますが、小澤は繰り返しなし。
■ほかにも目ぼしいのはないかと聴いてみたのがリサ・バティアシヴィリ(ヴァイオリン)のベートーヴェンの協奏曲。まったくノーマークのCDでしたが、聴いてみると「幻想交響曲」の余韻を一気に吹き飛ばすほどの衝撃!すばらしい。奇をてらうことのないストレートで非常に伸びやかな表現。ヴァイオリンが鮮明に聴こえるややオンマイク気味の録音も好印象。あくまでヴァイオリンが主役という仕上がりですが、オケ(ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)もなかなかの好演。まるでP.ヤルヴィが指揮しているような切込みの鋭い鮮烈な演奏。革張りのティンパニの音が心地よい。私の同曲のコレクションに取り入れたいCDですが、カップリングがどうも。。。頭の柔軟性の乏しい私には受け入れられません。



Beethoven: Violin Concerto; Tsintsadze: 6 Miniatures / Lisa Batiashvili, Deutsche Kammerphilharmonie Bremen, Georgian Chamber Orchestra
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2008年08月10日

ブラ4聴き比べ

■昨日は(もう日付が変わったので正確には一昨日)ヨドバシの前にタワーレコードに行っていろいろ試聴してきました(デジタル一眼買うために大量にCDを売り払ったような状況なので新しいのを購入するところではありません)。で、ブラ4(ブラームスの交響曲第4番)の新譜が3種類試聴できました。
■まずは往年の巨匠指揮者ヨッフムによるもの。シュターツカペレドレスデンとの1979年のライヴ。出だしは非常にゆっくりで、スケールが大きく、「さすが!」と思いましたが、少し進むとテンポは揺らすし、非常に熱い演奏が繰り広げられました。そして、第4楽章は頭から強奏で入るし、思わず吹き出してしまうほどの熱血ぶりでした。そしてこの録音ではオケの音色(とくに木管)が非常に魅力的でした。お金があれば「買い」です。このCDは同じ演奏会のピアノ協奏曲第2番(ブラームス)との2枚組。会場ノイズが比較的大きめで、左側によく咳をする人がいます。そして演奏後の拍手入り。



Brahms: Piano Concerto No.2 Op.83, Symphony No.4 Op.98 / Eugen Jochum, Staatskapelle Dresden, Michel Beroff

■熱い演奏といえば、「炎の指揮者」コバケンこと小林研一郎がいます。チェコ・フィルとのスタジオ録音がリリースされています。私はかつてアマチュア合唱団に所属しており、コバケンとの共演が多かったのですが、練習のときに「君ら、こういう風に感情を込めて歌いなさい」と急にピアノを弾き始めたのがブラ4第1楽章冒頭部でした。そのときの印象が強烈に残っていたので、期待して聴きました。冒頭はあの時と同じく感情のこもった表現(「熱い」というよりは「繊細」)でした。ただ、そのあとが予想したほど盛り上がることもなく、こじんまりした演奏のように思いました(ヨッフムの後だし)。それでも第4楽章ではだんだんと熱がこもってきてライヴ的な演奏となっていました(うなり声と足踏み音が激しかった)。



ブラームス:交響曲第4番/小林研一郎、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

■最後はドホナーニ指揮のフィルハーモニア管。2007年のライヴ。最初から淡々とした演奏で前の2枚を聴いた後ではスカみたいでしたが、これがオーソドックスというもの。けどやっぱり何か物足りない。こちらはライヴですが会場ノイズが少なく静かに聴けました(コバケンのよりも!?)。演奏後の拍手入り。



Brahms: Symphonies No.2, No.4 / Christoph von Dohnanyi, Philharmonia Orchestra

■余談ですが、高校のときに友達が「これいいだろう」とニヤニヤしながら私の家にLPを持ってきて聴かせてもらったのがベーム指揮のウィーン・フィルのブラ4です。そのときの印象が強く、今でもお気に入りの演奏のひとつです。最後に紹介しておきます。



ブラームス:交響曲第3番、第4番/ベーム指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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2008年07月16日

SHM-CDによるカラヤン/ベートーヴェン交響曲全集

■私は機会あるごとに「カラヤンのベートーヴェンは1970年代のものがいい」と述べています。1980年代に録音された彼の最後の全集は、ライヴ的な演奏で縦の線が甘くやや流れ気味なのが気になります。また、この録音当時、カラヤンとベルリン・フィルは例のザビーネ・マイヤー入団問題でギスギスしていました。同時期の映像作品では何曲かはザビーネ・マイヤーが吹いています。CD録音ではどうなんでしょう?その影響かどうか、どことなく演奏もギスギスした感じで、時折、その雰囲気を吹き飛ばすためか、カラヤンには珍しく思いつき的な“タメ”をとったり、音を引き伸ばしたりしています。
■しかし、以上のことはとても些細なことで、私がカラヤンに人一倍大きな期待を寄せていたために感じたことです。一番問題なのは音質です。デジタル録音で、詰め込まれた情報の多さは感じ取れますが、音に潤いがなく、演奏以上にギスギスした音がします。
■このたび、カラヤンの録音の多くが新世代のCDとして登場したSHM-CDで再発売されています。宣伝では目覚しい音質の向上があるとのことなので、このベートーヴェンの交響曲全集を聴いてみました。「そもそもデジタルなんだから、素材を変えただけで音質が向上するものなんだろうか?」と半信半疑でしたが、初版と聴き比べてみると確かに左右の広がりや奥行き感が増しています。そして、まれに初版では聞き取れなかったカラヤンのうなり声も明瞭に聞こえます。「これはたいしたものだ。。。だが待てよ。。。これはOIBPによるリマスタリングが施されている。。。」ということで、OIBPリマスタリングされた「英雄」と第九を所持していたので、聴き比べてみました。このOIBPリマスタリングされたCDはあまり気をつけて聴き比べたことがなかったのでこれまで気づいていませんでしたが、上記の音質向上はOIBPリマスタリングによるものだったのです。
■結局、SHM-CDによる音質向上は私の耳では聞き取れませんでした。そして、OIBPリマスタリングによる音質向上も、この“ベト全”の印象を変えるものでもありませんでした。



ベートーヴェン:交響曲全集/ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 [SHM-CD]<初回生産限定盤>


■この“ベト全”のパッケージが変わっているので写真で紹介します。
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ディスクは薄いプラスチックのトレイに1枚ずつ収められ、トレイの背(というか上部)が粘着フィルムで綴じられています。
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2008年07月14日

差し換え

■20世紀最大の指揮者カラヤンは、同じ曲を何度も繰返し録音したことで有名ですね。それは解釈自体の変化というよりも、録音技術の進歩に合わせるような形で行われました。カラヤンの後ベルリン・フィルを引き継いだアバドに関しては、録音にあまり脈絡がなく、思いつきで録音しているように思えてなりません。とくに協奏曲で顕著だと思うのですが、これはソリストとの関係もあるので、アバドだけの問題ではないのでしょうけど。。。たとえば、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。1995年5月に行われた演奏会のライヴ録音が2種類あります。1つはヴェンゲーロフの、もう1つは五嶋みどりのソロ。確かにソリストによる違いはありますが、全体としての印象はほとんど同じです。ここまで顕著ではないにしても、あまり時期を置かずに再録音を行っているものがいくつかあります。
■で、最近、ベートーヴェンの交響曲全集が新たに発売されました。これは2001年2月にローマでライブ録音されたものです。アバドはこれに先立つ1999年〜2000年にベルリンで全集録音(これもライブ?)したものがあり、2000年にすでに全集として発売されていました。それから1年ほど後の録音。。。宣伝文句では「アバドが自身の解釈中ベストと判断したもの」とあります。



ベートーヴェン:交響曲全集/クラウディオ・アバド、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団


■“旧盤”はたいへん密度の高い演奏なのですが、当時、やたらと速く、高純度のアルコールのようなさらさらっとした演奏という印象でした。今聴きなおすと、速さはそれほど気にならなくなり、適度にパンチの効いた芯のある演奏と感じます。“新盤”はというと、基本的な解釈はほとんど変わっていないように感じますが、こちらのほうがライブ的な自然さや、微妙な表情付けがあります。録音は“旧盤”のほうが当初からCDを目的としていたため、広がり・奥行き感のある抜けのよい優秀なもので、残響も多く取り入れています。“新盤”も悪くはありませんが、もともとはDVD用に録られていたものをCD用にリマスタリングしたもので、“旧盤”に比べて広がり感に乏しく、低音やアクセントに少々“どぎつさ”が感じられます。
■“新盤”の印象を簡単に言うと、たとえば「英雄」の冒頭の2つの和音は“旧盤”よりも覇気を感じますが、第4楽章のコーダでのホルンはなにかモコモコとすっきりしないように聴こえる、といった具合です。このようなわずかな“違い”はあっても、新旧の演奏についての“優劣”はほとんどありません。ただ、「田園」第5楽章後半では“新盤”のほうが“旧盤”を含め、今まで聴いたどの演奏よりも高揚感があり、たいへん気に入りました。演奏時間は“新盤”のほうが全体にわずかに長くなっています。
■アバドの意向で、今後“旧盤”は生産中止になるそうです。じつは第九に関しては“新盤”でもローマでの録音ではなく“旧盤”と同一録音を採用しており、“ベルリン盤”に対する“ローマ盤”というのではなく、あくまでも自身にとっての“ベスト盤”を目指したようです。つまり、“旧盤”=“暫定盤”で、“新盤”=“差し換え盤”なのです。セコイ話ですが、本来なら“旧盤”と無償交換すべきだという思いで、2種類とも買った身としては少々憤慨しております。
■芸術家の身勝手なのでしょうが、よく言えば“純粋”なのでしょう。我々の仕事で“差し換え”があっても、それを商売にはできません。当然無償交換です。そのために工期が遅れでもすれば逆にペナルティが科せられます。芸術家は気楽でいいよなー。。。私も芸術家になればよかった。。。無理!!!

“暫定盤”はこちら。お早めに。。。
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ベートーヴェン:交響曲全集/クラウディオ・アバド、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
posted by yahoon at 17:49| Comment(0) | 新譜の感想